清水アキラさんは還暦を迎えたのをきっかけに、夫婦別々に暮らす「卒婚」を試みましたが、結局1年で卒婚をやめてしまいました。
「卒婚」とは?離婚とはどう違うの?といった疑問や、卒婚の成功例、実際に卒婚をしてわかったことなどについて探ってみました。
清水アキラが1年でやめた卒婚とは
夫婦が別々に暮らしながらも婚姻関係は維持し、離婚せずにそれぞれ自由な生活を送る――それが「卒婚」と呼ばれる、新しい夫婦のかたちです。
一見すると「別居」にも思えますが、お互いへの思いやりや関心を持ち続けるという点で、一般的な別居とは少し異なるかもしれません。
清水アキラさんは長野県の出身。還暦を迎えたのをきっかけに、仕事を少しセーブしながら、田舎で釣りや登山を楽しみたいと考え、「卒婚」を決意。妻のめぐみさんとは、東京と長野で別々に暮らす生活を始めました。
ところが、清水さんはこの卒婚生活を、わずか1年でやめてしまいます。
「一緒に過ごす相手がいないのが物足りなかった」「一人は気楽だけれど、生活にメリハリがなく張り合いがなかった」といった理由からです。
芸能界で常に注目を集め、トップスターとして活躍してきた清水さんが、そんなふうに感じたというのは、少し意外な気もしますね。
卒婚をする意味って何?
卒婚とは、お互いの生活を尊重し、過度に干渉しすぎない距離感を保ちながら、それぞれの人生をより豊かにしていくことを意味します。
離婚との大きな違いは、「法的な婚姻関係を継続するかどうか」という点にあります。面倒で煩雑な法的手続きを避けられるのであれば、卒婚という選択肢がもっと広まるかもしれませんが、それは夫婦の在り方次第ともいえるでしょう。
夫婦によって形はさまざまですが、愛情や敬意を持ち続けながらも、それぞれが自立した自由な生活を送るのが卒婚です。清水アキラさんも、こうした形で卒婚を実践しました。
夫婦がお互いに縛られず、独立した大人として生活する――そうすることで、再び「自由」を手に入れ、長年連れ添った夫婦だからこそ、うまく卒婚を続けられるケースもあると思います。ですが、清水アキラさんの場合は、少し違ったようです。
一度離れて暮らしてみたことで、「やはり二人で暮らすほうが楽しい」と実感できたのなら、卒婚を試みたことにも意味があったと言えるのではないでしょうか。
清水アキラは続けられなかったが続けた人の意見は
卒婚をメリット、デメリットの点で比べてみると
卒婚のメリット
卒婚のメリットは以下のような点があります。
- 戸籍上の記載が変わらず、世間体も維持できる
- 夫婦どちらかが亡くなった場合には、遺産を相続できる
- 夫婦の共有財産を維持しながらそのまま同じ家に生活できることが多い
- 法律上結婚しているので、収入が低い側は、それまでと同じように生活費を受領できる可能性がある
- 離婚して完全に別々の生活をするのに比べて、家賃や光熱費などを節約できる
- 自立した関係を認め合うことで、心地のいい関係を築ける可能性がある
- お互いに自由になることで精神的な余裕ができ、夫婦関係に問題があっても再構築できる可能性がある
引用:アディーレ法律事務所
ざっと見ると、「離婚するほどではないけれど、これからは一緒に暮らさず、互いに自立した生活を送りたい」と考える夫婦には、卒婚はぴったりの形に思えます。
実際に「卒婚してよかった」という声もあります。
卒婚して8年目になりますが、同居復活とか考えられませんね。1人の自由は何ものにも替えられない気楽さです。 ただ、これができたのも夫の家事能力あってこそ。
現役時代、それぞれの仕事で別居が長かったのもあり、お互い自分のことは自分でやるスタイルができてたからだと思います。(後略)
引用:Yahooコメント
卒婚のデメリット
一方でデメリットもあります、以下のような事です。
• 自由に恋愛できるとはかぎらず、第三者と肉体関係を持つと、不貞行為となり慰謝料を請求される可能性がある
• 自由な生活に慣れた結果、夫婦の一方が法的な夫婦関係の解消を求めて離婚を希望する可能性がある
• 戸籍上は夫婦のままなので、「一切関係をなくしたい」という方には不向き
• 法律上はお互いに扶養義務があり、収入が高い方は生活費を支払い続けなければならない可能性がある
• 夫婦で費用負担などについて合意することができるが、夫婦間の契約はいつでも取り消せるので(民法第754条)、不安定引用:アディーレ法律事務所
離婚するほど深刻ではないけれど、これ以上の同居は難しい――そう考えて別居を選ぶ夫婦が増えている昨今。しかし、いざという時に生じるデメリットを考えると、結婚生活のマイナス面だけに目を向けて卒婚を決めるのは、少し問題があるかもしれません。
卒婚にはそれなりのデメリットもあるため、それを理解したうえで踏み切らないと、「損をした」「時間の無駄だった」と感じてしまう可能性もあります。
とはいえ、清水さんの場合は離婚せずに卒婚という形をとったことで、あらためて夫婦で一緒に暮らすことの良さに気づけたのかもしれません。結果的に、それが良い経験になったと言えるでしょう。
こんな意見もありました。
食器も洗えない、洗濯物も自分でしないような人が田舎で一人暮らしをやれるわけがない。かっこいいこと言って田舎に住んでみたけど、人間関係の構築も新たにできず、東京へ毎週戻っていたなんて。奥様は自由で幸せな毎日だったと思うなぁ。(中略)
卒婚とかかっこいいこと言ってはみたけど一年で東京の自宅に戻らせてもらった、奥様は心が広い方のようですね。
引用:Yahooコメント
清水アキラさんにとって、卒婚を経験したことは良い意味での気づきにつながったのでしょう。この方のコメントにもあるように、奥様の大切さや存在のありがたさをあらためて実感されたのかもしれません。
とはいえ、「籍を抜かなくてもいいから」と安易な気持ちで卒婚を始めるのは、あまりおすすめできないようです。
清水アキラさんも「甘かったね」と振り返っています。