人気アニメ・スラムダンクのオープニングで写る江ノ電・鎌倉高校前の踏切。以前からポスターやカレンダーでおなじみの撮影スポットとしての景色が今、外国人観光客による無法地帯と化してしまった。
日本で放送時にはこうはならなかったのに、今なぜ?
そして外国人観光客に荒らされ放題の無法地帯はどうなる!
スラムダンクが日本でアニメ化の時は起こらなかった現象!
スラムダンクの日本での放送は1990年代のことでした。まだSNSも普及しておらず、したがってインスタ映え」という言葉すらなかった時代ですが、以下の理由も。
『スラムダンク』は“懐かしい作品”
日本でのスラムダンクの原作連載は1990年~1996年、もう30年前の作品なのです。そしてアニメ放送は1993年~1996でした。
日本のファンにとっては「昔のアニメ」で、日常の一部としてすでに消化されている人が多い上、鎌倉という場所は東京圏から日帰りできる場所ということもあり、「わざわざ行く場所」というより、「行こうと思えば行ける場所」になってしまっているのです。
つまり、「特別な場所」という感覚が海外のファンほど強くない、のですね。
再放送や露出が少なかった
日本では長年、スラムダンクのアニメがあまり再放送されてこなかったことも理由の一つです。
2022年の映画『THE FIRST SLAM DUNK』で再燃したが、映画は内容がリブート寄りで、踏切シーンは登場しなかったため、国内での聖地熱がそこまで高まらなかったのです。
“聖地巡礼”に慎重
そして、これこそ、日本人の美徳ともいえるのも理由の一つです。
日本人は「周囲に迷惑をかけない」という意識が強く、混雑する場所に群がる行為を避けがち。
地元住民の迷惑になることを気にして、「写真を撮るために人をかき分ける」ような行為を控える傾向がある。ごくごく一部のマナーのない撮り鉄のようなことをする人は聖地巡礼には御法度ですね!
そして、外国人が熱が入るのは海外観光客は「ここまで来たから絶対撮りたい!」という熱意が強く、それが行動にも出やすい。海外旅行で撮影に夢中になる気持ちを思い出せば納得ですね。
「遠くから来た外国人のほうが感動が大きい」のは、旅行者あるあるです!
日本では他にもっと多くの“聖地”がある
オタクは日本発祥の言葉です、したがってオタク文化が根強い日本では、アニメ・ドラマ・映画の聖地が全国に無数にあります。
例えば『君の名は。』の四谷や岐阜、『ラブライブ!』の沼津、『エヴァ』の箱根など、『天気の子』の東京、もっと話題性のある聖地が多数存在するため、鎌倉の踏切はそこまで注目されなかった。
スラムダンクの聖地巡礼はなぜ外国でのみ起こったの?
ではなぜ、スラムダンクの聖地巡礼は外国でのみに起こったのか?を見ていきましよう、以下のような理由からなのです・
アニメ『スラムダンク』の聖地に行きたい!
踏切の前にあるシーンが、アニメ『スラムダンク』のオープニング(OP)やエンディングに登場します
特に、踏切で湘南の海を背景に主人公・桜木花道が立つシーンは非常に印象的で、ファンの間では有名な「聖地」です。
『スラムダンク』は1990年代の作品ですが、世界中で根強い人気があり、特に中国、韓国、台湾、フィリピンなどアジア圏にファンが多いです。
2022年公開の映画『THE FIRST SLAM DUNK』で再注目され、訪れる外国人が急増しました。
インスタ映え & SNSの影響
これこそ、日本ではここまでにならなかった理由でしょう!今や撮った写真はSNSにアップしたい!インスタ映えが必須。1990年代にはなかった言葉です。
絶景の海と江ノ電(えのでん)が一緒に写る風景は、写真映えするスポットとしてSNSで拡散されています。
観光客は「アニメのシーンを再現した写真を撮りたい」と思い、わざわざ訪れます。
ガイドブックや旅行サイトで紹介されている
外国人向けの観光ガイドブックや旅行系YouTuber・TikTokerが「鎌倉高校前踏切は絶対に行くべきスポット!」として紹介しています。
日本の旅行会社の外国人向けプランにもよく組み込まれていて、ガイドが団体客を連れてくることも。
外国人の無法地帯と化して近隣住民は大迷惑!
こういった理由から、日本で放送時には起こらなった、「スラムダンク踏切」の問題。今や無法地帯と化した近隣は住民が大迷惑しているのです!
撮影個所は市が苦肉の策で指定した区域でするように指導、踏切ぎりぎりに近づいて、道路の真ん中に出てきて撮影、という危険から回避させていますが、問題はその他のことです。
駅のトイレが使用不可になっているので、断っているのに、近くの病院でトイレを貸してほしいという被害に加えて、あちこちで放尿、便までする人もいるとか。
それにしても、お目当ての江ノ電は300形の車両(黄色と緑の車両)だけではないのに、その車両が通るまで粘られては、住民もたまらないでしょう。