残業キャンセル界隈は残業拒否と違うの?会社は認めるの?

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昨年の春辺りから見聞きするようになった〇〇キャンセル界隈、という言い方。

2024年4月末ごろからSNS(旧X/Twitter)で急速に拡散され、検索やトレンドにも上がり注目を集めました。主に若い世代が使う言い回しですが、では会社側は残業キャンセル界隈をどう受け止める?

「残業キャンセル界隈」という言葉と「残業拒否」は、似ているようでニュアンスや文脈が少し異なります。

TwitterやSNSで生まれた俗語・ミーム(情報、アイデア、行動様式などが人から人へ模倣や変容を通して広がる現象)的な表現で、「本当は残業になる予定だったけど、自分の意思でそれをキャンセルして帰る人たち」や「残業を当然としない文化・考え方を持つ人たち」を指す言葉です。

  • 若干ユーモラスな言い回し(「○○界隈」というネットスラングの一種)
  • 自分の時間を優先したり、定時退社をポジティブに表現する流れ
  • 残業を「当たり前」とする職場文化に対する皮肉・カウンター文化的な側面もある
  • 「今日は残業キャンセルで!お疲れ~」みたいな軽いノリで使われることも

主に若い人の間で残業キャンセル界隈が、浸透してるのは、ずばりSNSへの投稿熱もあるのです。

どんどん退社して、#残業キャンセル界隈と投稿して、いいね!がつくことが快感、となるのです。そして退社後は自由に過ごす。

これはもっと直接的・制度的・労働者としての主張を含んだ言葉です。

  • 法律的・労働者の権利としての正当な主張(36協定など)
  • 違法な長時間労働やサービス残業を拒否する意思表示
  • 「拒否」という言葉からして、やや強いトーンや対立構造がある
  • 組合活動や労働運動とも結びつきやすい

ネットスラングの〇〇キャンセル界隈、とは違い元からある制度に反抗の主張を通す、ということですね。

拒否してきた世代からはキャンセル界隈という表現、行動はどう思えるのでしょう。

表現方法ではなく、主張の仕方が違ってくる残業キャンセル界隈と残業拒否ですが、世間の声は賛成、反対、どちらが多いのか?

主な賛成意見

残業キャンセル界隈、とても素晴らしいです。 残業によって期日が間に合わないのであれば人員増するのが普通の考え方。 誰しもが1日24時間しかない中で、勤務時間の8時間を精一杯やっているのであれば定時で帰ることは労働条件上も真っ当なことです。(後略)

そもそも残業までしてする仕事なのかも疑問です。 これまでやってきたからという理由だけで意味のない仕事も多い気がします。 惰性的に残業を発生させ、盲目的に部下に残業を求める管理職に問題がある気がします。(後略)

ちゃんと残業した分の給料が出るにしても、本音を言えば定時で上がりたいよ

還暦ですが、忙しいのに残業せずに帰るのか?という前に、会社としての業務量は現在の人数で足りているのかを精査した方が良いと思います。(後略)

引用:Yahooコメント

とんどのコメントが残業はしなくていい、しない方向にするべき、というものです。要約すると、残業を前提とした労働環境は改善が必要、業務は時間内に終わらせられるように調整が必要、というものです。

その一方で、残業代を必要とする社員もいる、給料を補うために残業も必要だという意見もあります。

会社(雇う側)にもさせない配慮が必要!という意見が多いのですね。

そもそも残業キャンセル界隈なんて言葉が発生するのは日本ならではなのです。海外の先進国を例に挙げると。

アメリカ

  • 残業はあるが、法的に厳格に規制されている
  • 労働基準法(FLSA)により、週40時間を超える労働には1.5倍の賃金が必要(時間外手当)

フランス

  • 週35時間労働が原則(法律で規定)
  • 残業はあるが、法定の上限(年間220時間など)を超えると罰則の対象。

ドイツ

  • 均労働時間は短め。残業は基本的に例外的な対応
  • 労働時間法(ArbZG)で、1日8時間、週48時間が上限。

韓国

  • 日本に似て、かつては長時間労働が当たり前だったが、現在は規制強化中。
  • 2018年に週52時間制度(基本40時間+残業12時間)を導入。

また、世界一幸福度の高い国・フィンランドでも午後4時には退社が普通です。先のコメントにもアメリカで働いていた頃、「アメリカ人は皆定時になると帰っていた。定時以降も残って働くのは日本人だけ。(後略)」

というものもありました。

もうそろそろ、働きバチから脱却してもいいのでは、いえ、そうするべき時期なのだ、と残業苦キャンセル界隈というワードを見て思います。