近年、推し活が仕事や日常の一部として浸透する中、企業の福利厚生として「推し活休暇」を導入する動きが広がっています。
推し活とは、アイドルやアーティスト、俳優、キャラクターなど自分が心から応援している存在の活動を応援すること。
そんな推し活を支援するために、企業が新たに導入したのが「推し活休暇」。今回は、その魅力や実際の利用事例を見ていきましょう。
推し活休暇とは?
応援する「推し」のアーティストのライブやイベントなどに参加するために利用できる休暇です。
従業員がプライベートを充実させることで、ワークライフバランスを実現しその結果、仕事に取り組む姿勢を向上させることが目的です。
福利厚生の一部として取る入れる企業が増えています。
「推しロス休暇制度」を導入する企業も。推しの結婚やグループからの脱退、解散などからくる「推しロス」に対応した制度も同時に注目されています。
「推し活休暇」の日数は一般的には数日から10日程度が目安です。
「推しロス休暇」とは?
推し活休暇の中でも、「推しロス休暇」という特別な制度も登場しています。
推しがグループを脱退したり、結婚したり、解散したりするなど、ファンにとっては大きな心のダメージを受ける瞬間があります。
そんな時に、心の整理や休養を取るために設けられたのが「推しロス休暇」です。この休暇は、推しとの別れや変化に伴い、ファンが心のケアをするための時間として利用できます。
実際に推し活休暇を取得してみた 取得しやすい会社も
「推し活休暇」の実際の利用者の声を見てみましょう。
ある40歳を過ぎた女性は、推しができたことで人生初の推し活遠征に行くことに決め、有給休暇を使って参加したそうです。
これまで有給休暇を使うことに対して後ろめたさを感じていたそうですが、推しの活動を応援することで、自己肯定感が爆上がり!その結果、仕事へのモチベーションも大きく向上したとのこと。
また、別の企業では、有給休暇に加えて、「推し活休暇」も利用できる制度が導入されており、グッズ発売日やイベントの日に特別に休みを取得することが可能だそうです。
こうした制度があれば、ファン活動をより楽しみながら、仕事にも集中できる環境が整います。
アイアール株式会社(東京・建設業)
- 面接時に自分の推しを伝えることができ、推しのイベントに合わせて休暇を取得することが可能です
株式会社ウコウコヤオ(東京・介護業)
- 1ヶ月ごとのシフト制で、推し活に合わせた希望日の休暇を取得でき、趣味の時間をしっかり確保できる制度が整っています
推し活休暇のメリット・意義
近年、企業で導入が進んでいる「推し活休暇」。
そのメリットや意義にはさまざまなものがあります。仕事におけるパフォーマンス向上から、従業員のメンタルヘルス維持まで、企業と従業員双方にとって大きな利点があることが分かります。
ここでは、推し活休暇がもたらすメリットについて、さらに詳しく見ていきましょう。
モチベーションアップ
推し活休暇の最大のメリットは、従業員のモチベーションアップです。オフの日が充実していれば、仕事の日もイキイキと過ごすことができます。
例えば、推しのライブやイベントに参加することで、リフレッシュしたり、ストレスを発散させたりすることができ、その結果、仕事へのやりがいが増すのです。
自分の好きなことを応援できる時間があると、心身ともにリフレッシュでき、仕事に対する集中力や生産性が向上します。
離職防止
厚生労働省のデータによると、新卒者の離職率は非常に高いことが分かっています。特に、2020年に卒業した新規学卒就職者の離職率は、大学卒で約32.3%、高校卒で約37.0%に達しています。この背景には、以下のような離職理由があるとされています:
- 仕事内容のミスマッチ
- 人間関係によるストレス
- 労働条件の悪さ
- キャリア形成が見込めない
特に、若年層が求めているのはキャリアアップよりも、働きやすい環境です。休暇取得制度の充実や柔軟な働き方が整うことで、仕事のストレスが軽減され、離職防止に繋がります。
推し活休暇のような、従業員が自分の時間を大切にできる制度は、若者が企業に留まる理由となり得ます。
メンタルヘルスの維持
メンタルヘルスとは、心の健康状態を意味します。近年、企業は従業員のメンタルケアにも力を入れるようになっていますが、推し活はその一助となることが多いと考えられています
推しを応援する活動は、日常のストレスを忘れさせ、ポジティブな感情や活力を生み出す源となります。
推し活によるストレス軽減効果は、精神的な疲れを癒し、リフレッシュするための手段として非常に有効です。趣味や情熱を注げる時間を持つことは、心の健康を保つために大切な要素。企業が推し活休暇を提供することで、従業員の精神的な安定をサポートすることができます。
社内の多様性への理解促進
「多様性」という言葉が企業の中でもよく聞かれるようになっています。
性別、年齢、人種、国籍、障がいの有無、性的指向、宗教、価値観、キャリア、経験、働き方など、さまざまな違いを持つ人々が共に働くことを意味します。
推し活休暇は、まさにその「働き方の多様性」を尊重する取り組みの一環として注目されています。
例えば、推し活休暇を通じて、自分の好きなことや自分にとって大切なことを大事にする文化を作ることができます。
個人の趣味や価値観を認め、尊重する企業文化が根付くことで、社内の多様性への理解が促進され、より働きやすい環境が整うでしょう。
また、推し活休暇を導入することで、柔軟な働き方を支持する姿勢が明確に示され、従業員がより自分らしく働けるようになるため、従業員満足度の向上にもつながります。
結論
推し活休暇は、ただの趣味を尊重するための制度ではなく、従業員のモチベーション向上やメンタルヘルス維持、さらには離職防止や多様性の理解促進といった面でも重要な役割を果たします。
これらのメリットが積み重なることで、企業はより強固な組織づくりが可能となり、従業員はより充実したライフスタイルを送ることができるのです。
今後、推し活休暇を導入する企業が増えていくことで、働き方の新しい選択肢が広がり、仕事とプライベートがより調和した社会が実現することが期待されます。
推し活を通じて、心身ともに元気な自分を作り、より良い仕事ができる環境を手に入れましょう!
「ただの趣味でしょ?」なんて言わません!推し活は、人間の生きる力をチャージする行為です。
近い将来“推し活休暇”が当たり前になる未来を夢見て、仕事をがんばりつつ、今日もチケット争奪戦に挑みます!
推し活について大学院で研究している「よっぴー」こと吉田尚記さんについてはコチラ→吉田尚記ってどんな人?学歴 家族 経歴についても