「火垂るの墓」 7年ぶりに地上波放送の理由は? 

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「ジブリ映画」といえば「となりのトトロ」に代表されるほっこりさ、「風の谷のナウシカ」に代表される空想的で流れるような空中戦、が魅力で、新作が発表される度に注目の的です。

中でも「火垂るの墓」は戦争の悲しさを伝える泣ける映画として人気がありましたが、いつからかテレビで放送されない時期がありました。7年ぶりの地上波放送の裏をさぐってみます。

原作者の野坂昭如にさんに聞くしか答えはないのかも知れませんが、なぜ「火垂るの墓」であり、「蛍の墓」ではないのか?

こんな一文がふとした時に目に入りました。

30年経って、ようやく気づかれた事実。 『火垂るの墓』の ポスターに描かれていたのは 蛍じゃなく、B-29と焼夷弾だった。 無数光は命象徴じゃない。 奪われた命“火”。

この映画のラストで清太が、節子を自らの手で荼毘に伏すシーンは衝撃的かつ悲しすぎるシーンで涙を誘います。

同時にショックを受けたのが、清太がまるでゴミのように「もうだめだろう」と行き場を無くした人々と始末されるシーンでした。

まるで昭和の終わりの頃に上野駅で見た地下鉄構内にいたホームレスのように見えました。

ホームレスは様々な理由で地下鉄の構内にたむろしていましたが、戦争では戦火に追われた人々が仕方なくそう生活するしかなかったのです。

野坂昭如さんは1945年に神戸大空襲に遭い、福井で妹を亡くしています。妹には「火垂るの墓」の清太のようないい兄ではなかったので、妹への贖罪として「火垂るの墓」を書いたそうです。

火垂るの墓が地上波で放送されなくなった理由は主に視聴率の低迷と、戦争という過酷なテーマに対する視聴者の関心の低下だそうです。

2007年以降、地上波放送の視聴率は1桁台と低迷し、放送を続ける意味が薄れていったのですが、初回放送の1989年には20.9%という高視聴率を記録したのです。最高は21.5%!

ジブリ作品の人気を示す数字でしょう。

火垂るの墓の視聴率推移を見ると

  • 1989年08月11日 20.9%
  • 1990年08月17日 10.7%
  • 1993年08月13日 14.5%
  • 1997年08月08日 19.1%
  • 1999年08月06日 18.8%
  • 2001年08月10日 21.5%
  • 2005年08月05日 13.2%
  • 2007年09月21日 7.7%
  • 2009年08月14日 9.4%
  • 2013年11月22日 9.5%
  • 2015年08月14日 9.4%
  • 2018年04月13日 6.7%

    参考:ジブリまみれ

戦争という過酷なテーマを扱う作品は、視聴者の関心が薄れ、放送を続ける意味が薄れていった、という判断から放送は中止されたようです、また2018年の放送は同年4月5日に逝去された高畑勲監督の追悼特別番組として行われたのです。

その後、地上波での放送はされなくなりました。

ジブリ作品の中でも珍しく戦争を扱った、ハッピーエンドではない「異作」ともいえる「火垂るの墓」令和の今、7年ぶりに放送されるとなると、視聴率は上がるか下がるか、注目です。

予想では上がる、とうか2018年よりは上がり、10%は超えると思います。

理由は

  • 「火垂るの墓」は2025年7月15日よりNetflixで国内初配信、今現在は見られない状況。
  • 悲しすぎて観られない、という人が多い反面、また見たい!という人も多い。
  • 親世代は子供に見せたい、と思う人も多い。

等々の点から視聴率は上がると思います。

現在5月27日の時点では放送日は発表されていませんが、放送決定の際にはまた大きなニュースになり、一層注目が集まりそうです。

令和の日本に名作ジブリは届くか?!