先日、X(旧ツイッター)で12万件の「いいね!」がついた投稿が、ちょっとした話題になりました。
内容は、学校の先生と保護者との会話で「1か月弱」の意味の捉え方に違いがあった、というものです。保護者は「1か月弱」を「1か月と少し(=1か月より多い)」という意味で使っていたそうです。
しかし、「1か月弱」と聞いて「1か月未満(=1か月より少ない)」だと思う人にとっては、「えっ!?」となりますよね。リプライの中には、「1か月とちょっと」=「1か月以上」と思っていた人もいたようです。
1か月弱はどっちの意味か!1カ月未満1カ月以上?
個人面談中に「夏休みも1ヶ月弱あるので…」と保護者が口にしたので、夏休みの期間を間違えてるのかと思い「1か月以上ありますから、8月末までお休みですよ」と伝えた すると「え?はい、だから1ヶ月弱あるので…」と不思議そうに繰り返された
「あー!」と納得する演技をした自分を今日は褒めたい
引用:元日先生のポスト
「1か月弱」を「1か月と少し」という意味で使った保護者の方の年齢も気になるところですが、後日投稿された内容によると、その方は小学校高学年の担任のようです。そうなると、40代くらいの方なのではないかと想像されます。やはり、年齢も知りたいところですね。
これは「学校で習ったかどうか」というより、日常生活の中で自然と身につけてきた言い回しのようにも感じます。
数字の捉え方でつまずいた経験としては、ある程度の年齢の方なら、運転免許を取得する際に「未満」と「以下」の違いをあらためて学び直した記憶があるかもしれません。
では、「弱」と「強」の意味についてはいつ、どこで学んだのかと問われると、特に明確な記憶はないという方が多いのではないでしょうか。やはりこれも、日常生活の中で自然と覚えていった言葉のように思えます。
それにしても、「1か月弱」を「1か月と少し」と捉えるというのは不思議ですよね。「一体どこからそんな発想が来るの?」というリプライも多く見受けられました。
これは単なる「不勉強」や「世間知らず」といった一言で片づけてしまってよい問題なのでしょうか。
一カ月弱を一カ月と少しと思ったのですね こんな保護者に当たり前を教わる子供は不幸です。 そんな子を指導しなければならない教員は、もはや苦行僧の様です。
1ヶ月弱って1ヶ月より弱いのだから1ヶ月ないのは当然なのに,何でそこで勝手に若干プラスみたいに加えるのかわけ分からん.震度がっていったって,震度5とか震度6ちょうどっていうのはないだろうに.
·1ヶ月弱だと30日未満になる事を知らないんだ(笑)
引用:元日先生へのリプより抜粋
元日先生のXには以下のようなポストもあります、これにも、え?と思う方も多いと思います。
1時間弱を正しく理解している高学年でも、震度に関しての理解度は低く「震度5<震度5弱<震度5強」と考える子が多い そもそも”震度5”や”震度6”が震度階級上は存在しないので、弱が前半、強が後半のように見える表になってしまうのも誤解に拍車をかけている気もする 先生でも誤解してる人が多そう
引用:元日先生のポスト
これについても、驚きを示すリプライが多く見られました。また、日本語力の低下を嘆く声や、「どうしてそんな発想になるのか!」と呆れるような反応も少なくありませんでした。
これも日本ならではなのでしょうか?飲食店で食後にごちそうさまでしたと言う?も合わせて読んで下さい、あなたはどう思いますか?
時代と共に変化する日本語いろいろ
言葉は時代とともに変化していくものです。たとえば「着物」といえば、現代では和装の衣服を指しますが、かつては衣類全般を意味していました。
同じように、「瀬戸物」といえば現在は陶磁器全般を指しますが、もともとは愛知県瀬戸市周辺で作られた陶磁器のことでした。
このように、言葉は時代の流れの中で意味や使われ方が変わっていくものです。ある著名な言語研究者も、「最近の若者は言葉を知らない」とは言わず、「生活スタイルが変化するように、言葉も時代とともに変化していくのが当然だ」との考えを持っているそうです。
「1時間弱」の意味の捉え方については、確かに誤りと言えるかもしれませんが、「着物」や「瀬戸物」のように、意味が変化したり限定されたりする言葉は、今後も増えていくのではないでしょうか。
たとえば「失笑」という言葉も、元来は「思わず笑ってしまうこと(苦笑)」という意味ですが、最近では「爆笑」という意味で使われることもあるように感じます。
日本語の難しさ10時10分前って何時の事ですか?
びっくりしたのがさ、その時アナウンサーで自分より年上の人が10:10は10時の10分少し前のことだと思ってたって言ってて9:50って言った人にめっちゃ驚いてたんよね しかもさ、認識が若者は10:09だと思ってる人が多いとか言ってるから10:10前に集合!とかってなったら普通が10:09の方になるかもって…
引用:セセリさんのポスト
時代とともに変化していく言葉や言い回しなのかもしれません。
「着物」や「瀬戸物」も、現在では限定された意味、またはその逆で使われるのが当たり前になっているため、違和感を覚えることは少ないかもしれません。しかし、意味が変化し始めた当初は、違和感を覚えた人もきっといたことでしょう。
誤用が広がった結果、意味が変わったように、間違っていても恥じることが無くなったんでしょうね。 嘘では無いですが、誤用も100回使い続ければ本当になるですね。
引用:Xユーザーのポスト
「1か月弱」の意味の取り違えはともかくとして、「10時10分前」といった言い方も、令和が過ぎて次の時代になれば、徐々に使われなくなっていくような気がします。
今まで他にもありますよね それで、その間違ってる方が今では正しくなってるという言葉、結構あると思います 「ヤバい」とか「全然」とか 「全然良いよ」とか、おかしいのに普通に使われてますし「ヤバい」だって本来の意味とは違うし モヤる気持ちは解ります
これについて「うんうん」と共感する方もいるのではないでしょうか。学校で「『ぜんぜん』の後には否定文が続く」と習った記憶があるため、テレビのコメンテーターが「ぜんぜんいいですよ!」と言うのを聞くと、違和感を覚えます。
もともとは「よくない」という意味でしたが、今では文脈によって「すごい」「面白い」「かっこいい」など、さまざまな意味で使われています。
「イケメン」はすでに辞書に掲載されている言葉で、一般的には容姿が整い、魅力的な男性を指す語として定着しています。
時代とともに言葉も変わっていく――改めてそう実感しました。