ドッキリGPでやす子の不快問題

エンタメ

8月2日に放送されたバラエティ番組『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ系)の内容が、波紋を呼んでいます。

番組では、お笑い芸人のやす子さんが坂上忍さんから預かった犬を連れてロケに参加し、その間スタッフに犬の世話を頼むものの、スタッフが犬を逃がしてしまう――というドッキリが仕掛けられました。

この放送内容に対し、SNSを中心に「こういったドッキリは不快」「笑えない」といった否定的な声が多く上がり、物議を醸しています。。

Xでは主にこのバラエティ番組『ドッキリGP』に対して、こうしたドッキリは不快、嫌い、という意見が目立ちました。

「こういうドッキリは嫌いだ」という意見の背景には、“動物という命ある存在を扱っていること”への疑問や批判もあるようです。

実際に犬を飼っている視聴者の中には、「もし自分の犬が同じような目に遭ったら…」と想像して、不快に感じた人もいたようです。

バラエティ番組の「ドッキリ」には、視聴者に不快感や嫌悪感を与える内容が少なくありません。
特に、失くしたものを必死に探す姿を笑いの対象にするのは、悪趣味と言わざるを得ません。

今回のやす子さんへのドッキリでは、「紛失したもの」が“犬”という生き物だったことに、強い嫌悪感を抱いた視聴者も多かったようです。

やす子がというより企画自体が面白くない。 子どもが好きでドッキリ観てるけど、長尺のは大体面白くないし、最初から知ってるか途中で気付くかしてると思う。 狙ってじゃなきゃ泥まみれにはならないでしょ。

引用:Yahooニュースコメント

このコメント以外にも、「やらせを見抜いた」「過去にもやらせだと感じたことがある」といった声が多く見られました。


“紛失ドッキリ”への嫌悪感とともに、わざとらしさや台本の存在を感じ取った視聴者のコメントも多く、こうした内容はもはやテレビで放送するのにふさわしくないとも言えるでしょう。

テレビ、特にゴールデンタイムに放送されるバラエティ番組は、視聴率が命。いかに“ウケる”内容にするかを意識して作られていますが、その作為が視聴者に見透かされてしまうようでは、面白さは半減してしまいます。

ドラマのように「これはフィクションだ」と割り切れる演出であれば受け入れられますが、バラエティ、特に“ドッキリ”をうたっている番組でそれが見えてしまうと、視聴者が白けてしまうのは当然です。面白くないどころか、不快に感じるのも無理はありません。

しかも、演出とバレバレなのが子供だましレベル、とまで書いたコメントも。

今回問題となった『ドッキリGP』ですが、この番組に限らず、最近のテレビ番組は面白くなくなってきていると感じませんか?

かつては、人気バラエティ番組の中には視聴率が50%を超えるものもありました。しかし、『ドッキリGP』の場合、2018年に放送された初回2時間スペシャルこそ平均視聴率10.4%を記録しましたが、2023年には6〜7%台前半にまで落ち込んでいます。

人気バラエティ番組『ザワつく!金曜日』(テレビ朝日系)でさえ、2023年の年間平均視聴率は、個人全体で7.4%、世帯で12.3%。この数字で全局のレギュラー番組中トップというのが現状です。

テレビが娯楽の中心だった時代とは明らかに異なり、「テレビ離れ」が進んでいるのは間違いないでしょう。今や家庭の娯楽はテレビに限らず、ゲーム機やYouTubeなどの動画コンテンツに移行しつつあります。

視聴者に不快感を与えるような、過剰でわざとらしい演出が目立つバラエティ番組には、もはや人々は関心を持たなくなっています。今回のやす子さんの件をきっかけに、『ドッキリGP』の視聴率もさらに低下するのではないかと懸念されます。

「何が本当に面白いのか?」
これを、テレビ業界には今一度真剣に考えてほしいと感じた一件でした。