夏休みも終盤を迎え、あちこち観光に出かけた方の中には、どこに行っても中国語が聞こえてくることに驚いた方も多いのではないでしょうか。
かつて「中国人=ブランド品の爆買い」というイメージがありましたが、それはすでに過去のものとなっています。
では現在、中国人は日本で何を買っているのでしょうか?
この記事では、その最新の傾向についてお伝えします。
中国人の爆買いが流行ったのは2015年
2015年の流行語大賞にも選ばれた「爆買い」という現象。
しかし、あれから10年、現在では中国人によるブランド品の爆買いは、すでに終息しています。
2025年1月の訪日外国人旅行者数は約370万人。そのうち中国人観光客は約98万人でした。
2024年に中国人観光客が日本で消費した総額は約1兆7,335億円で、そのうち買い物に使われた金額は約1,915億円でした。
一方、2015年は総消費額が約1兆4,174億円で、そのうち買い物に使われた金額は約8,089億円にのぼります。
つまり、2015年当時の中国人観光客は、2024年の約4.2倍もの買い物をしていたことになります。
中国人が爆買いして数時間で1億円の売り上げがあったイオンも!
ひとつのエピソードとして、2015年7月、人口約3,500人の町・境港に「クァンタム・オブ・ザ・シーズ号」が寄港し、中国人クルーズ客がイオンモールに来店しました。
その際、約4,000人の中国人観光客が鳥取県日吉津村の「イオンモール日吉津店」に押し寄せ、わずか数時間で1億円以上の売り上げがあったとも言われています。
「1億円以上」という数字はあくまで噂の域を出ていないようですが、それにしても驚くべき話ですね。
人口3,500人の町に4,000人もの観光客が訪れたというのは、いったいどのような光景だったのでしょうか。
爆買いは2015年から減少傾向!
かつては大きな経済効果をもたらした「爆買い」ですが、2015年をピークに減少傾向が続いています。
かつては、大都市のドラッグストアや家電量販店などで、中国人旅行客がレジ前に長い行列を作り、にぎやかに商品を選んでいる姿を目にした方も多いでしょう。
しかし現在、そうした光景はすっかり見られなくなり、日本での買い物回数は最大で30%も減少しています。
爆買いだけでない現在の消費行動
現在かつては大きな経済効果をもたらした「爆買い」ですが、2015年をピークに減少傾向が続いています。
かつては、大都市のドラッグストアや家電量販店などで、中国人旅行客がレジ前に長い行列を作り、にぎやかに商品を選んでいる姿を目にした方も多いでしょう。
しかし現在、そうした光景はすっかり見られなくなり、日本での買い物回数は最大で30%も減少しています。
買い物から飲食・体験へ
買い物に次いで人気なのが「飲食」です。2023年には、旅行中の消費における飲食費の割合が18.3%を占めるなど、高い人気を誇っています。
特に注目されているのは、日本の居酒屋文化への関心です。これまでのように、寿司やすき焼きといった定番の和食店だけでなく、カフェも訪日外国人に人気を集めています。
さらに、最近では「体験を楽しむ」という傾向が伸びつつあります。
たとえば:
- 舞台や音楽の鑑賞
- 自然体験ツアーへの参加
- 映画・アニメの聖地巡礼(作品ゆかりの地を訪問)
- ポップカルチャーの体感 などです。
中国版Instagramともいわれる「RED(小紅書)」を活用するZ世代の旅行者たちは、自分の興味や好みに合わせて旅を自由にカスタマイズし、自分らしい体験を楽しんでいます。
飲食が人気と言えば、関西万博では各国のグルメが人気です、興味を持ったら関西万博では各国のグルメを楽しもう!人気の万博グルメを食べる!をご覧ください。
中国人=爆買いではない現在
中国人旅行者の旅のスタイルが一人旅や個人旅行を中心とするようになると、大量のお土産を買う必要がなくなりました。
コロナ前の2019年には化粧品や香水が人気のトップでしたが、2024年にはお菓子類が最も人気となっています。
特に人気なのは、コンビニなどでしか手に入らない「日本限定スイーツ」です。コンビニのコラボ商品などは特に注目を集めています。
また、お土産として人気があるのは、「NEWYORK PERFECT CHEESE」や「PRESS BUTTER SAND」など、日持ちがして高級感のあるお菓子です。
もはや、温泉街などで見かける地名入りの焼き印を押した安価なお饅頭は売れにくくなっており、
「日本でしか買えない」「中国では手に入らない」「品質が確かな」お菓子に人気が集まっています。
そして、かつてのように何箱もまとめて購入するのではなく、ひと箱だけ購入し、それを家族や友人と分け合って楽しむのが、今のスタイルです。
こうした理由からブランドショップから中国人の姿は消えつつあります。
お菓子の次に何に人気になるのかにも注目ですね。